夏休み(お盆)明けに、企業が注意すべき労務管理のポイント

長期休暇明けは、従業員の心身のコンディションだけでなく、労務管理上の思わぬ落とし穴も潜んでいます。
せっかくリフレッシュした気分に水を差さないためにも、今一度、基本的なルールを確認しておきましょう。
目次
お盆休みは終わり!でも、その前に…確認すべき労務管理とは?
夏休み(お盆休み)が終わり、従業員が職場に戻ってきました。多くの企業では、この時期に夏季休業を設けていることでしょう。しかし、長期休暇明けは、従業員の体調管理はもちろんのこと、実は労務管理上の注意点も多く潜んでいます。今回は、企業の経営者の方、管理職の方、人事担当者様向けに、夏休み明けの特に注意すべき労務管理のポイントを社会保険労務士の視点から解説します。
ポイント1:長期休暇後の従業員の健康管理と安全配慮義務
心身のコンディションチェックの重要性
- 長期休暇で生活リズムが乱れ、心身ともに「休みボケ」の状態になりがちです。
- 特に、メンタルヘルス不調の兆候がないか、従業員の表情や様子に注意を払いましょう。
- 必要に応じて、声かけや面談の機会を設けることが、休職や離職を未然に防ぐ第一歩となります。
- 社内に産業医や相談窓口がある場合は、その利用を改めて周知するのも有効です。
労働時間管理の徹底
- 休暇明けは業務が溜まっていることが多く、長時間労働になりがちです。
- 労使協定(36協定)の上限を超えないよう、改めて周知徹底しましょう。
- 特に管理職は、自部署の従業員の労働時間を適正に管理する責任があることを再認識させます。
ポイント2:年次有給休暇の取り扱い
年次有給休暇の消化状況の確認:
- 年5日の有給休暇取得が義務化されているため、未取得の従業員がいないか確認し、取得を促す具体的な計画を立てることが重要です。
- 特に、夏季休暇明けに休暇取得の促進を改めて行うことで、従業員のワークライフバランスへの配慮をアピールできます。
ポイント3:労働時間と賃金の再確認
夏季休業中の賃金取り扱い:
- 就業規則に「夏季休暇」の規定があるか、その期間の賃金は有給か無給かを明確にしているかを確認します。
- 無給の場合、給与明細にその旨が正確に反映されているかチェックしましょう。
- 「夏季休暇」は企業が独自に設定する特別休暇なのため、有給もしくは無給は企業の判断になります。
ポイント4:夏季休暇中の出勤、適切な対応を怠っていませんか?
- 会社が夏季休業日と定めた日(所定休日)に、やむを得ない事情で従業員が出勤した場合、休日出勤手当の支払いが必要です。
- 休日出勤手当は、所定休日・法定休日またはその週の労働時間数等によって割増率が変わりますのでご注意ください。
代休の取得促進:
- 従業員の健康とリフレッシュのため、出勤した分は代休の取得を促しましょう。
- 代休は、あくまで有給休暇とは異なりまして、企業が代休を付与する義務はありませんが、
休日に働いた分の代わりの休みであり、労働者の健康維持のためにも、取得を推奨することが重要です。 - 会社側が一方的に代休を指示することはできず、原則として従業員の同意が必要となる点も注意が必要です。
ポイント5:夏季休暇中に出勤した社員にねぎらいと感謝を伝える
・納期対応などで夏季休暇中に出勤してくれた従業員には、賃金や休みといった物理的な補償だけでなく、感謝の気持ちを言葉で伝えることが非常に重要です。
・「休みのところ、出勤してくれてありがとう」「〇〇さんの頑張りのおかげで助かりました」といった一言が、従業員のエンゲージメント(会社への貢献意欲)を大きく高めてくれるはずです。
・経営者や上司からの直接的なねぎらいは、従業員にとって何よりも大きなモチベーションとなるでしょう。
まとめ
夏休み明けは、従業員がリフレッシュして業務に臨めるよう、経営者、管理職、人事担当者が適切な環境を整えることが非常に重要です。今回ご紹介したポイントは、どれも労務トラブルに発展する可能性を秘めています。
この機会に、就業規則や賃金規定などを再確認し、従業員との信頼関係を築きながら、より良い職場環境作りに努めましょう。何かご不明な点があれば、お気軽にさくらい社労士FP事務所にご相談ください。
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