社会保険労務士の業務について

社会保険労務士の業務内容全般についていただく一般的なご質問について回答しています。

目次

Q.

Q.社会保険労務士のことをあまり知りません。

A.

社会保険労務士は、厚生労働省が監督官庁であり、1968年に成立した社会保険労務士法に基づいた国家資格の所持者になります。

※(8士業)戸籍や住民票などについて、職務上請求の権限が認められている士業
  弁護士、司法書士、弁理士、税理士、行政書士、土地家屋調査士、海事代理士、社会保険労務士

Q.

Q.弁護士や税理士と異なり、社会保険労務士に何を依頼できるのかわかりません。

A.

経営者と従業員との良好な関係の構築と、トラブル回避や予防を行い、企業の発展と従業員満足度の向上につながるよう、人事労務問題などの手続きや相談業務を行います。

  • 労働社会保険諸法令に基づく申請書類作成、提出代行
  • 人事労務管理に関する相談
  • 年金制度の相談・手続きなど
  • 助成金申請の相談・手続き
  • 改正諸法令の情報提供

Q.

Q.社会保険労務士の提供するサービスを利用することで企業にはどんなメリットがありますか?

A.

人事労務部門がない企業の場合、経営者の方が、本業を行いながら、自ら給料計算や労働社会保険の手続きを行っている場合、営業活動や品質向上などの本業活動の時間が減少してしまい、最新の法改正に気づかずに、会社のルールや就業機規則が現状に対応していない場合もあります。

 求人活動や人材育成が後回しになってしまう事を回避できるよう、面倒な申請手続きや給料計算業務に就業規則改正などを委託して頂ければ、経営者の方が本業に注力する時間を確保出来ると考えます。

Q.

Q.従業員満足度の向上を図るのって、具体的に何をするのですか?

A.

従業員の方が、会社に対する信頼を深めるには、適切な福利厚生や、公正な評価制度等が必要と考えられますので、労働社会保険諸法令に基づいた手続きや、明確な会社のルール/就業規則の作成を行い、人材育成・トラブル予防に努めます。

Q.

Q.当社の社員が業務中に足を滑らして階段から落ちてしまい、足首が腫れてしまいました。近所の病院で健康保険証を提示して、治療を受けさせても良いですか?

A.

  1. 業務中のケガは労災保険が適用されますので、健康保険は適用されません。
  2. 必ず労災指定病院で受診をして、適切な保険給付(治療など)を受けましょう。
  3. *会社の上司や総務部門等への報告も忘れずに!

Q.

Q.当社の社員が、会社へ出社するため、自転車の走行中に転んでしまい擦り傷や手首が腫れるケガをしましたが、通勤途中は労災保険もしくは健康保険のどちらで受診するのでしょうか?

A

労災保険は自宅と勤務先の合理的な往復経路上であれば、通勤災害が認められますので、労災保険が適用されます。(自転車利用を会社が了承していることが必要です)

しかし、下記の場合は、通勤災害が認められない場合もあるため、ご注意ください。

下記の理由(例)で、通勤経路を一時的に中断・逸脱をした以降の移動は、その行為中に事故にあった場合は、通勤途上ではないと労災保険が適用されませんが、必要最小限で本来の合理的な通勤経路に戻った後の移動は通勤となります。

*日常生活上で必要な行為と認められる場合*

  • 帰宅途中にスーパー等で日用品等を買い物 
  • 病院等で診察や治療を受ける       
  • 床屋等の利用、独身者が食堂で食事をする。
  • クリーニング店に立ち寄る

下記の理由(例)で、通勤経路を逸脱・中断した場合は、その後、本来の合理的な通勤経路に戻っても、逸脱・中断した以降の移動は通勤となりません。

*業務との関連性がない活動など*

  • ・友人と会社帰りに居酒屋へ飲みに行った。
  • ・映画館やコンサート会場で鑑賞をした。
  • ・スポーツジム等で運動をした。

Q.

Q.労災保険と健康保険の違いは何ですか

A.

会社員がケガや病気をした場合、業務外であれば会社が加入している健康保険(健保)を利用して給付を受けられますが、業務上や通勤の場合は健康保険ではなく、労災保険(労災)が適用されますので、注意が必要です。

労災保険とは

業務上の事由または通勤による負傷・疾病・障害・死亡に対して、会社員やその遺族に行われる給付であり、労災保険の保険料は全額会社負担となります。

業務災害通勤災害
療養補償給付療養給付
休業補償給付休業給付
障害補償年金障害年金
障害補償一時金障害一時金
遺族補償年金遺族年金
遺族補償一時金遺族一時金
葬祭料葬祭給付
傷病補償年金傷病年金
介護補償給付   介護給付
二次健康診断等給付
*上記以外に特別支給金も規定されています。
健康保険とは

業務や通勤以外での病気やケガ、出産、死亡などに対して行われる給付であり、健康保険の保険料は原則、事業主と会社員が半分ずつ負担し、病院等へ支払う自己負担額は原則3割となります。

被保険者被扶養者
療養の給付―診察や治療家族療養費
入院時食事療養費家族訪問看護療養費
入院時生活療養費高額療養費
保険外併用療養費高額介護合算療養費
訪問看護療養費家族移送費
療養費家族出産育児一時金
高額療養費家族埋葬料
高額介護合算療養費
移送費
傷病手当金
出産育児給付金
出産手当金
埋葬料(費)

以上により、会社員(労働者)がケガや病気等になってしまった場合は、労災保険と健康保険のどちらに該当するかをふまえて、適切な保険給付を受給しましょう。